NHKのTVドラマ「ハルとナツ」(全五回)を観た。昨年秋に放送されたものらしいがその時は全然知らなかった。今回は再放送とのことだが、鶴ちゃんも春休みで観る余裕があったのだ。内容は70年前にブラジルへ渡った姉と訳有って日本に残された妹との70年ぶりの再開という設定で、ブラジルと日本での70年のそれぞれの生活が回顧されてゆく。なかなかの大型ドラマだった。鶴ちゃんの住んでいる地域にも今、ブラジルから出稼ぎに来ている日系二世三世の人達かかなりいるので、身近な話と感じながら最後まで楽しく観ることが出来た。おおむね良いドラマだとの感想を抱いた。掲示板を観ると「泣きながら観た」との感想も多い。うん。
このドラマの前にも「繋がれた明日」という全4回のドラマを見たばかり・・・そのドラマでは「刑務所を出て来た刑期を終えた犯罪者に理解を」というメッセージが読み取れた。だいたいNHKの作るものは作為が見え見えのものが多く、(昔見たドラマでハナ肇が「そこをどくんだ!」と叫ぶシーンでは、暗に政権交代を訴えていることがよく判った・・・のを思い出した)この「ハルとナツ」では、「日本ではあまり知られていないブラジル移民の苦労や、間接的にブラジルから日本へ出稼ぎに来ている人たちにもっと理解を」とのメッセージでもあるのかなと思ったが、橋田壽賀子氏の脚本はそんな意図的なものを感じさせることも少なく、自然にドラマの世界に引き込まれてゆく感じだった。さすが。70年という時間の流れも「大型」なロマンを感じさせるし、北海道やブラジルの大地の広大さもドラマに「大型」なイメージを与えている。恋愛と戦争が絡むあたりはあの名作「風と共に去りぬ」を連想させるし、最後のシ-ンで、故郷に帰って跡形も無くなっている懐かしい家々(の廃墟)に死んでしまった懐かしい人々の姿がよみがえるあたりは、あの「タイタニック」の廃船の中がかつてのパーティーシーンに変り死んだ人々の姿がよみがえる・・・あれに全くソックリだった。ま、いいか。渡辺俊幸氏の音楽もなかなか良かった。(「繋がれた明日」での丸山和範氏の音楽も良かったよ)
DVDも発売されているようで、観ていない人には一応お奨め。