珍しい、フォーレのバイオリン協奏曲のCDを入手した。なぜ珍しいかというと。あまり演奏されることのない曲だからである。なぜあまり演奏されないかというと、未完成なのだ。しかし正真正銘のフォーレの作曲になるもので、1楽章だけ完成していて2楽章と3楽章はスケッチが少しあるだけらしい。第1楽章のメロディーの一部を晩年の弦楽四重奏曲で使っているので少し聞覚えのある感じだ。しかし、晩年の幽玄な響きとは違う。ピアノ四重奏曲第1番が書かれた時期に書かれているので、まだ若々しいみずみずしさが曲の特徴といえる。管弦楽はあの「レクイエム」を思わせる響きが一瞬あるものの概して特徴がない。バイオリン独奏のフレーズは、あの人気の高いバイオリンソナタ第1番の頃に書かれた曲ではあるが、もっと技巧を凝らそうとして・・・サンサーンスの曲のような感じになってしまい、それほどフォーレらしさが感じられない。そんなところから彼は全曲完成させる意欲を失っていってしまったのかもしれない。美しくて聴いていて心地よさはあるのだが、フォーレらしさや「印象に残るような要素」がさほどは感じられない。第1楽章だけの録音だが16分以上かかっている。うーーん、もしかしたらこの長さが、続きを仕上げることを断念させる原因になったのかもしれない。彼の曲で1曲や1楽章で16分かかる曲なんてほかにあるのだろうか?(鶴ちゃんは知らない)
コメント一覧 (5)
-
- 2006年06月06日 14:24
- eririnさん、時間のあるときに研究室に遊びにくれば、お聞かせしますよ。
-
- 2006年06月09日 23:00
- フォーレの曲で単一楽章で長い、といえば、バリエーションですよね。ジャン・ユボーの演奏で15分少々。
-
- 2006年06月10日 01:18
- 本当ですか?!嬉しいです{キラキラ}
先生の授業が入っていない時間をねらって研究室に行ってみます!
夜想曲12番、あんまり聴いたことがなかったので聴き比べてもこれはイイ!とかわからなかったのですが、なんだかこれからはまりそうです。
-
- 2006年06月11日 21:25
- 「主題と変奏」のペルルミュテルは、14分3秒でした。
コメントする
プロフィール
バンダナの鶴ちゃん
最新記事
記事検索
月別アーカイブ
QRコード
タグクラウド
- コルンゴルト
- Blu-Rey
- Erde
- GOTOトラベル
- hall60
- Isao
- Korngold
- Quartet
- Sonatine
- Tsuruhara
- Violanta
- YouTUBE
- Zephirus
- アザラシヴィリ
- アルヴェーン
- アレンジ
- アンサンブル
- アンソニー・アドヴァース
- オペラ
- コルンゴルト
- コンサート
- コントラスツ
- ゴウ芽里沙
- サントリーホール
- ジャズピアノ
- スエーデンの音楽
- ステンハンメル
- セキセイインコ
- ゼフィルス
- ソナチネ
- チェロ
- トロンボーン
- ニューアルバム
- ノクターン
- バイオリン
- バイオリンソナタ
- バイオリン協奏曲
- バグダサリアン
- バルトーク
- ビオランタ
- ピアノ
- ピアノ五重奏
- ピアノ協奏曲第2番
- フレッシュコンサート
- ブルーレイ
- ミューザ川崎
- モーニン
- リオ・クオクマン
- レンタサイクル
- ヴァイオリン
- 中級向け
- 事故
- 佐々木京子
- 出版
- 函館
- 初心者
- 協奏曲
- 夜景
- 大谷康子
- 天才作曲家
- 小田直弥
- 小野明子
- 尾池亜美
- 山澤慧
- 山田和樹
- 島田彩乃
- 平日昼間
- 弦楽四重奏曲
- 後悔先に立たず
- 徳永二男
- 思い出の地
- 慚愧の念
- 放浪の王子
- 早崎隆志
- 早稲田大学
- 映画
- 暗い部屋
- 森田学
- 横浜シンフォニエッタ
- 歌曲
- 浜離宮朝日ホール
- 浦安音楽ホール
- 海の上のピアニスト
- 漆原啓子
- 無言歌
- 王子ホール
- 矢野雄太
- 砂漠の朝
- 碓井俊樹
- 神奈川フィル
- 空騒ぎ
- 覆水盆に返らず
- 辻彩奈
- 金川真弓
- 青葉台フィリアホール
- 革命児ファレス
- 音楽
- 鶴ちゃん
- 鶴原
- 鶴原勇夫
今度聴いてみたいです{音符}