E.W.コルンゴルトの音楽を生の演奏で聴くのは、今日が2回め。一回めはNHK交響楽団の定期演奏会で、シャンタル・ジュイエのソロによる「バイオリン協奏曲」だった。およそ10年前くらいだろうか?当時はまだコルンゴルトについてはほとんどなにも知らず、「シェーンベルクなどとほぼ同じ時代の作曲家だが保守的な作風で、戦後はほとんど忘れられた存在だったが最近少しずつ見直されるようになってきた」という程度の情報しか知らなかった。

今はずいぶんいろいろな事を知っている。詳しい紹介本「コルンゴルトとその時代」も読んだし、CDも20枚くらい買った。代表作のオペラ「死の都」も放送されたものを録画して何度も見たし、スコアもインターネットで取り寄せて、「交響曲」他5冊ほど持っている。コルンゴルトが音楽を担当した映画もビデオで5本入手して楽しんだ。その他、映画音楽集(抜粋)のCDもあるし、とにかく相当に詳しくなっている。もう何を聴いても驚かない・・・というか。

今晩聴いたのは「2つのバイオリン,チェロとピアノ(左手)の為の組曲、Op.23」という室内楽で、5楽章有って40分くらいかかる曲だった。

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演奏は、芸大卒業の若手演奏家でとにかく技術的にはまったく安心して聴けるレベル。何の心配する事も無く、コルンゴルトの音楽を堪能する事が出来た。拍手良かった!。

少しぐらい作風が古くたって良い曲ならばやがて多くの人に聴かれるようになる。モーツァルトやベートーベンなどの古い曲だって今だに多くの人に聴かれているのだから、当たり前と言えば当たり前の事だ。作曲技法ばかり追求した「新しい曲」も、くり返し聴かれるものはごくわずか(それらはやはり素晴しいから)。他の駄作な「現代音楽」は、「作風が古い」といわれたコルンゴルトの作品よりももっと早く忘れ去られるかもしれない。