<9月14日>
昨夜の演奏会が前夜祭なら、いよいよこの日からコルンゴルト・シンポジウムの始まりである。
会場は同じ音大の「室内楽ホール」で、折りたたみ椅子で100名くらい収容の音楽室だった。
40センチほどの高さのステージが有る。
今日からの3日間で登壇する人も顔ぶれも多彩で、地元のベルン市の先生の他に、イギリスから参加のブレンダン・キャロル氏をはじめ、チューリヒから、フランクフルトから、アムステルダムから、ミュンヘンから、ハンブルクから、パリから、その他の都市からと、欧州各地から集まったコルンゴルト研究者たちが登壇する。初めにホスト役のストルバーグ氏から挨拶が有り、「言葉についてですが、ドイツ後で話せる方はドイツ語で、そうでない方は英語で話していただく事にしましょう。そして、英語でのお話をドイツ語に通訳する事はしません、どなたも英語はお分かりでしょうからね。」とのこと、さあ私はどこまで聴き取れるか???

ところで、コルンゴルト関係では世界的な第1人者で高名な、ブレンダン・キャロル氏の登場は2番目なので、開会前に挨拶して「写真を撮らせてください」とお願いしておいた。「今ですか?、後からですか?」というので、「講演中に1枚と、あとから私と一緒にもう1枚」とお願いした。
「いいですよ、後3日間(最終日まで)いますからね」と快諾。ところがデジタルカメラの性能が今一つで、なかなかピントがうまく合わない。(写真1)
carolspeech_m.jpg

キャロル氏との2ショットは午後のコーヒー休憩のときにお願いした。ワイシャツ姿だったキャロル氏は「ちょっと待って、上着を着るから」「まったく、コルンゴルトソサエティーの会長という立場だと、うかつな身なりで写真を撮る訳にゆきませんからね」というので、私も上着を着る事にした。超有名人との2ショット、Get!(写真2)
turucarol_bm.jpg


キャロル氏の話は英語での話しだった。かれはコルンゴルトに関する著書があるほかに、コルンゴルトの曲のCD録音にもいくつか立ち会って、演奏家にアドバイスなどをしているそうだ。そのようなエピソードも交えての話だった。「アメリカでは映画音楽を通してコルンゴルトを知っている人はいるが、熟年世代だけで、若い人たちは『コーンゴールドなんて知らないよ、コーンフレークは知ってるけれど』(爆笑)という人ばかり」とか・・・早崎氏の著書でも紹介されていたピアノトリオのテンポに関するエピソードのところでは、私にも英語がとっても良く理解できた。知っている話だったからね。

私とキャロル氏との会話の一部を紹介しよう。初めの挨拶のときに、「日本から来た鶴原と申します。コルンゴルト気違いです」(I'm crazy on Korngold's Music.)というと、「ここにいる人は皆同じですよ」と(あなただけがクレージーなのではないですよ)と言ってくれた。さすが英国紳士!気配りが有る。
3日目には、わたしが「私にはドイツ語はとても難しいです」と言うと「僕にだって難しいですよ」との答え。私が「話はよく理解出来無いけれども、私はここでは自分の家(マイホーム)にいるような気持ちです。」と言うと、「ここにいる人は皆同じ気持ちですよ」(または)「気持ちを同じくする人ばかりですからね」とのご返事だ。(どちらの訳が正解かな?両方正解かな?)
私が、「コルンゴルトソサエティー・ジャパンを設立して、キャロル氏を日本に招待するのが私の夢です」というと、「My pleasure(うれしいです)」と繰り返し言っておられた。